そもそも冷凍機とは?
冷凍機とは、どのようなシステムをいうのでしょうか?これは、基本的には気化熱を利用して「冷たい温度の熱」を作り出すことができるシステムだという位置づけです。冷媒が蒸発する際に周囲から熱を奪い、冷たい熱を生み出します。これを冷凍機として、周囲を冷却するために使うわけです。また、冷媒は蒸発した際に熱を持ちますが、この熱は凝縮器という機械で取り出すことになります。この繰り返しを行うシステムが、冷凍機と言えます。
そして、この繰り返しを行う冷凍機というシステムが大掛かりで大規模なものになると、産業用冷凍機になるわけです。これは施設全体を急速に冷却したり、工場のラインそのものを冷却するなど、様々な用途に使われることとなります。
冷却器はどのようなもの?
冷却器は、先ほどご紹介した冷凍機の中で、特に冷媒を冷やして再び液化させるためのシステムとなります。これには冷却水などが流れており、冷却水に接触させることで冷媒を冷やす効果があります。
冷媒にはどんな種類があるの?
基本的に冷媒といえば、ガスや水、その他空気なども使われますが、ガスを使うことになります。エアコンのガスと言うとイメージがわきやすいこともあり、冷媒にはガスというわけです。
ここでは、いくつかの冷媒について説明します。まずご紹介するのは、低温冷凍機やエアコンなどにも利用されていた経緯を持つ、クロロフルオロカーボンです。
これは非常に効率の良い冷媒として人気でしたが、1995年の年末には様々な事情により、生産が中止となってしまいました。オゾン層を破壊する性質があったためです。そのため、国際的に現在使用は控えられています。
同じく、96年には生産が規制されることとなってしまった冷媒についてもお話しします。それが、ハイドロクロロフルオロカーボンです。これもエアコンなどにはよく使われていたのですが、オゾン層を破壊する性質が少なからず存在するということで、現在は主流ではありません。2020年には、全てのハイドロクロロフルオロカーボンの生産や運用が廃止される予定となっています。
それでは、現在のところ有用でかつ主流の冷媒ガスにはどのようなものがあるのでしょうか?
現在注目が集まっており、地球環境への影響もそれほど大きくないと注目されているのが、R32という新しい冷媒です。これは比較的先程紹介したようなものと比べて、地球環境への影響が少ないとされており、様々な分野で利用が広がりつつあります。
間接冷媒で使用されるブラインとは?
ブラインチラーなどをはじめ、間接冷媒という形で使用される冷媒がいくつか存在します。その代表格が、ブラインです。ブラインというのはもともと塩水という意味なのですが、これは様々な金属に対して使用できることから、近年注目が集まっています。特に、化学工場などにおいて冷却設備に間接冷媒として利用されることも多く、これを使うことにより、他の金属にダメージを与えることが少ないため、ブラインを利用する現場も増加傾向にあります。
チラーとの違いは?
チラーというキーワードがあります。これは、冷凍機と同様に物品を冷却する役割を持つシステムです。冷凍機との違いには、どのような部分があるのでしょうか?
非常にこの答えは単純かつ明快で、冷凍機は、液体ではなく気体を冷却します。チラーは液体を冷却するシステムです。つまり、どの媒体を冷却するかによって呼び名やシステムが異なるという理由です。
また、冷却する相手が液体の場合は、どんなに低く下げてもせいぜいマイナス10℃程度まで下がれば十分にその目的を達成しますが、冷凍機の場合は冷却する対象が気体となりますので、マイナス数十度以下という極めて低い温度にすることも不可能ではありません。
このような部分に、チラーとの違いがあるわけです。
このように産業用冷凍機と冷却器には違いがあり、また冷媒にもいくつかの種類があることが分かりました。そして、冷却器や冷凍機と並んでよく出てくるキーワードにチラーというものがありますが、こちらもまた違う存在であることがおわかりいただけたのではないでしょうか?