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チラーって何?冷蔵庫・冷凍庫の仕組みと原理を解説

チラー(冷却水循環装置)

冷蔵庫の仕組みとは?

冷蔵庫は、1800年代後半に差し掛かって、ようやく今の冷蔵庫の原型となるものが開発され、実用化に至りました。しかし、冷蔵庫というものが登場した頃は、今のように機械で強制的に冷やすという仕組みではありませんでした。それは、単純に現在のクーラーボックスのように氷を入れて、その氷の冷たさで食品などを保冷する、といったものだったのです。

もちろん、氷が解ければ冷却性能は失われますので、現在の冷蔵庫や冷凍庫のように24時間365日稼動することができるというわけではありませんでした。また、このような氷の冷たさで食品を保冷するクーラーボックスのような冷蔵庫の中には、現在でも木製冷蔵庫と呼ばれるようなものが残っており、これらは一般的にワインセラーであったり、日本国内では寿司ネタの保冷に使われるというケースもあります。

時が流れて現代になると、冷蔵庫は食品を凍らせない程度に冷却し、そして保存するという目的で全世界の国々で使われるようになりました。今や、日本人の生活にはなくてはならないものと言ってよいでしょう。

そんな冷蔵庫の仕組みですが、基本的には、肌にアルコールを塗りつけたときにスッと冷たい感じがする、あの感覚と同じ原理が使われています。

アルコールが肌について冷たく感じるのはアルコールが瞬時に蒸発し、その蒸発の際に肌の周辺の熱を奪うからです。これと全く同じことが冷蔵庫でも起きているというわけです。つまり、電気の力でガスを圧縮することで循環させ、そして気化する時に周囲の熱を奪うことで冷却しているというわけです。

例えば、冷蔵庫にも様々な冷却タイプがありますが、一般的に使われているのは気化圧縮型と言います。その他にも、気化吸収型冷蔵庫やペルチェ式冷蔵庫などもありますが、基本的には、こちらの気化圧縮型タイプが使われています。また、多くの家庭用冷蔵庫や業務用冷蔵庫の一部機種については、このタイプとなります。

原理としては、冷蔵庫の中に存在するパイプの中をアルコールのように蒸発する性質のある液体が循環し、周囲の熱を奪って蒸発してまた液体に戻り、というサイクルを繰り返すのが主流です。

冷凍庫の仕組みとは?

冷蔵庫よりも冷却性能が一般的に高く、凍らない程度ではなく、完全に冷凍してしまうほどの冷却性能をもつ冷凍庫。こちらも実は冷蔵庫と同じような仕組みで、冷媒の気化によって冷却を行うケースがほとんどです。

また、業務用の冷蔵庫や冷凍庫の場合は家庭用のものよりも期待される・あるいは必要とされる冷却性能が高いケースがあります。

冷却の要・チラーとは?

冷蔵庫の冷却にあたり必要な装置には様々ありますが、これがなくては始まらないという装置がチラーです。チラーは冷却水循環装置と呼ばれており、英単語のChill(冷やす)から来ています。

基本的に冷凍庫や冷蔵庫、その他冷却設備は先ほどご紹介した通り、連続的にそして一定の温度で冷却をする必要があります。チラーは冷たい水もしくは冷媒を循環させることにより、装置全体もしくは対象の部分を冷却するという機能があります。

また、チラーについてはいくつかの種類があり、冷却する方式によって水冷式や空冷式など、様々なバリエーションがあるのも特徴のひとつといってよいでしょう。また、チラーで循環させる冷却水については水道水を使うケースもありますし、氷点下の液体を循環させる必要がある場合は、いわゆる不凍液のような冷媒を循環させるケースもあります。

従来はフロンという冷媒が冷蔵庫や冷凍庫に利用していましたが、こちらは地球環境保護の部分から現在は利用を禁止されており、代替フロンと呼ばれる冷媒ガスなどが主流となっています。

まとめ

このように冷蔵庫や冷凍庫は、開発当初においては単純に氷で中の食品を保冷する、といったものから始まったのです。そして現在では、冷媒を循環させることにより、あるいはチラーを使って冷却水を循環させることにより、食品を凍らせない程度に冷やしたり、あるいは完全に凍結するまで冷却するなどの機能を持つに至りました。

一般的に家庭で使われるような冷蔵庫や冷凍庫よりも性能が高く、また容量も大きいものになると、それらは業務用冷蔵庫や冷凍庫、あるいは商業用冷蔵庫もしくは冷凍庫と呼ばれることになります。

商業用冷蔵庫も一般家庭における冷蔵庫も、基本的にはチラーによって冷やされ、温度管理をすることができる仕組みとなっているのです。

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