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各冷凍倉庫メーカーの中央管理システム、その特徴は?主要メーカーごとに解説
中央管理システム
中央管理システムとは?
冷凍倉庫及び、大規模な冷凍構造物を管理するにあたり、大きな課題が一つあります。それが温度管理や電力管理です。なぜなら、業務の関係上24時間365日冷凍倉庫を冷却し続ければ良い、あるいは最大電力で冷凍し続ければ良いというわけではなく、場合によっては1日の間に数時間から半日程度、冷凍倉庫内に全く商品が存在せず、冷凍し続けることが無駄となっているケースなどもあります。
また、最近は商品の多様化により、冷凍倉庫と一口に言っても、そのセクションごとあるいはエリアごとに管理すべき温度が異なるというケースもあります。こういった状況に応じることができるのが、冷凍倉庫の中央管理システムです。
冷凍倉庫の中央管理システムは、このような人手では到底作業しきれないような細かい調整や電力管理を一元管理することができるシステムとなっており、近年では各冷凍倉庫メーカーの方で中央管理システムを独自に開発し、ユーザへ提供しているという背景があります。
中央管理システムがあることのメリット
中央管理システムがあることにより、冷凍倉庫の運営者及び管理者にはどのようなメリットがあるのでしょうか?これはひとえに、電力に応じて最適化することができるため、コストカットを行うことができるという部分が挙げられるでしょう。
大規模な冷凍倉庫を複数運営するような企業の場合、冷凍倉庫の電気代や運営コストは非常に大きな金額となります。しかし、中央管理システムを利用することによって、そのコストを数%でも削減することができれば、非常に大きな金額が浮くことになります。これはコストカットという形で、経営に還元されることでしょう。また、大きいケースだと20%程度の電力削減に成功した事例もあるなど、中央管理システムは省エネ及び電力コストカットの部分から、非常に注目されているシステムでもあります。
また、中央管理システムを導入していることにより、冷凍倉庫内で何らかのトラブルやイレギュラーが発生した際にも、いち早く発見・対処することもできます。このようにリスクコントロールの部分でも、中央管理システムの導入には大きなメリットや恩恵があると言ってよいでしょう。
中央管理システムを利用するデメリットは?
中央管理システムを冷凍倉庫で利用することについては、デメリットもあります。しかし、中央管理システムを利用する場合、従来の中央管理システムを利用していない冷凍倉庫の運用コストに、いくらかのシステム利用料や管理費用、導入費用が上乗せされる、といった位のデメリットしか存在しません。
もちろん、イニシャルコストという部分ではデメリットだとも言えますが、中長期的な部分から考えれば、中央管理システムを利用するメリットは十分にあるのです。
冷凍倉庫メーカー各社の中央管理システムについて紹介
ここからは、冷凍倉庫メーカー各社の中央管理システムについて、簡単にお伝えして行きます。
日立
株式会社日立産機システムで
は、冷凍倉庫メーカーではないものの、冷蔵倉庫温度管理システムと呼ばれるデジタルソリューションを提供しています。これは、庫内の温度を24時間365日の間記録し続けることができ、その全てのデータをエクセルなどの電子データとして保管することが可能です。また、温度管理を機械化することにより、何らかの温度異常があった際にアラームを発出することができるなど、リスクコントロールにも長けているシステムです。
このように、イレギュラーを検出することに長けている中央管理システムが多いのも、最近のトレンドです。これにより、思わぬトラブルから発生する商品ロスや様々なリスクを回避する手助けをすることができます。
NEC
NECでは、冷蔵庫及び冷凍倉庫向けの入出庫在庫管理システムを提供していましたが、2015年8月からは、開発元を日本システムウエアとして、新たなシステムをリリースしています。これも中央管理システムですが、特色としては、食品や一次産業品の冷凍管理には欠かせない不定貫処理です。
細やかな在庫管理をする上では、不定貫処理は切っても切れない縁があります。不定貫処理は、例えば生魚や野菜など、一つ一つの個数と重量が必ずしも一致しない商品の管理に使う処理ですが、中央管理システムではこの処理を適切に行うことにより、リアルタイムで正確に在庫を把握することができ、それでいて、入出庫管理も行うことができるなど、使いやすさに主眼を置いたシステム運用が特徴です。
三菱メルコールド
冷凍倉庫業界では、省コスト・省エネルギーが目下の課題です。この課題は企業の管理体制効率化や自動化、昨今話題のロボティクスプロセスオートメーションにも複雑に関係してくるものですが、三菱メルコールドでは、電力コスト削減を目的として、流通管理システム「MELCOLD」を提供しています。
システムの全体的な長寿命化と省エネ省コスト・省力化をワンストップで提供することにより、全体的なコスト削減と省エネルギー化を図ることができるシステムです。
まとめ
冷凍倉庫メーカーの中央管理システムには様々な種類があり、それぞれに特色があります。ただ、多くの中央管理システムは、イレギュラーの検出検知とコストの削減という部分に重きが置かれていますので、どのような部分を最も重視するかによって、交渉すべきメーカーも変わってくると言ってよいでしょう。