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食品衛生管理で必須のHACCPハサップとは?義務化前に内容をおさらい!
HACCP(ハサップ)
元は宇宙食の安全性確保基準?HACCPとは
HACCP(ハサップ)は、元々アメリカ国内でアポロ計画が持ち上がった際に出てきた基準です。
アポロ計画の際に、宇宙飛行士が持ち込む宇宙食をいかに安全に製造するか、そしてその安全性をどのように担保するかという部分から考え出されたHACCP(ハサップ)は、食品衛生管理基準のガイドラインとなり、その後世界各国で導入されるようになりました。
日本でも、食品取引の場面では度々使われることのあったHACCP(ハサップ)という基準ですが、この度2021年の初夏から、日本国内の食品関連事業者はHACCPを導入することが義務付けられることとなるのです。
HACCP(ハサップ)は具体的にどんな基準なの?7原則12手順を紹介
HACCP(ハサップ)は、具体的に7つの原則と12の手順から成り立っており、衛生管理のガイドラインとしても役立ちます。
そして、HACCP(ハサップ)を導入する場合は、この7原則12手順をすべて満たしているというのが大原則となります。以下に、HACCP7原則12手順について、具体的にお伝えします。
HACCP手順1-5
まず一つ目は、HACCPチームを編成するところから始まります。社内に衛生管理及びHACCP(ハサップ)のことについて詳しい人員を配置し、品質管理のチームを編成することになります。また、HACCP(ハサップ)に詳しい人間及びHACCP(ハサップ)に特段の知見があるスタッフがいない事業体の場合、HACCPに詳しい経営コンサルタント及びHACCP(ハサップ)コンサルタントを外部から招へいし、チームメンバーとすることも可能です。
続いて、提供している製品の原材料や提供方法、特徴などをまとめた製品説明書を製品ごとに製作することになります。この製品説明書をまとめて資料化しておくことにより、HACCP7原則12手順のうち二つ目の手順を満たすことになるのです。
手順の三つ目は、消費者の確認及び意図する用途の確認となります。つまり、この製品はどういった人に向けて製造管理されているものなのか、そしてその用途はどういったものなのかをきちんと確認し、明文化しておくという行程も必要となるわけです。
食品ですのであくまで消費することが最終目的となりますが、HACCP(ハサップ)の原則として、明確にしておくことが重要です。
さらに、原材料を仕入れて工場で受け入れ、そこから製造し、食事として提供するまでの「制作から消費までのプロセス」を製造工程一覧図として、作成する手順が入ります。
その次に、工程図と実際の動き方に違いがないかどうか、すべてのプロセスにおいて現地確認が必要となります。この際、製造ラインから従業員の動き方まで、全ての製造工程が事前に制作した工程図と一致しているかどうかを確認することが重要です。
この際、工程図と製造工程にズレが生じていた場合には、製造工程などを修正し、この二つを一致させる必要があります。
HACCP(ハサップ)原則を紹介
続いて、手順6番からをご紹介していきますが、ここからはHACCP(ハサップ)原則も兼ねる要素となります。
手順6番は原則の1、危害要因分析の実施となります。いわゆる異物混入リスクもしくは様々な食品衛生に悪影響となりうる要素を分析して、除外するための構成を決定するためにも、この危害要因分析の実施は非常に重要です。製造工程をすべて確認の上、食品衛生上好ましくない部分については、すべてリストアップしていく必要があります。
次に、危害要因分析の結果において、特に管理する必要のある部分を徹底します。これをCCPと言います。
またCCPが決定されて以降は、そのCCPを管理する際に重要な基準を設定することになります。この時に使われるのは、「この工程では殺菌のため120℃以上で180秒以上加熱のこと」などの基準となります。
ここまでの内容が決定された後は、このHACCP(ハサップ)の手順や流れがきちんと履行されているかどうかを確認するためのモニタリング基準およびその方法の策定、そしてモニタリングの際に改善の必要が出てきた場合、どのように行動すべきか?といったガイドラインの制定などが入ります。そして、最後に記録をどのように取るかという方向性を決定すれば、HACCPの工程管理は完成です。
HACCP認証とは? どんな種類がある?
ハサップHACCP認証とは、自社の衛生管理システムとしてハサップHACCPがしっかり機能しているということを第三者から評価してもらうための制度です。合格した企業には認証機関から「ハサップHACCPマーク」が与えられます。認証機関は一つではなく、日本国内に複数の機関が存在している為、表示しているマークのデザインも異なります。
総合衛生管理製造過程
厚生労働省が食品衛生法によって定めているハサップHACCP認証で、「乳」「乳製品」「食肉製品」「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」「魚肉練り製品」「清涼飲料水」の6つの製品に限り、取得する事が可能です。
ハサップHACCP認証の種類
地方自治体によるHACCP認証
・東京都食品自主管理認証
・北海道HACCP自主衛生管理認証
・みやぎ食品衛生自主管理登録
・福井県食品衛生自主管理プログラム
業界団体認証
・全国菓子工業組合連合会
・(社)日本惣菜協会
・(社)日本炊飯協会
・(社)日本食肉加工協会
・(社)日本給食サービス協会
・全国製麺協同組合連合会 等
まとめ
HACCP(ハサップ)は食品衛生管理基準の見地から明文化・基準化されているものが多く、長く従事している従業員などは経験から様々な管理を行っているケースもあることから、なかなか一朝一夕には受け入れられ難いケースもあるでしょう。
そのため、出来る限り早い段階からHACCP(ハサップ)の導入に向けて動き出すことが非常に重要です。