フロンの登場
「フロン」は、20世紀の人類が発明した、自然界には存在しない人工物質です。
1928年、冷蔵庫などの冷媒に理想的な気体として、フロンは開発されました。不燃性で、化学的に安定していて、液化しやすいというフロンは、冷媒としてまことに理想的なガスだったのです。
さらに、油を溶かし、蒸発しやすく、人体に毒性がないという性質をもつフロンは、断熱材やクッションの発泡剤、半導体や精密部品の洗浄剤、スプレーの噴射剤(エアゾール)など様々な用途に活用され、特に1960年代以降、先進国を中心に爆発的に消費されるようになりました。
フルオロカーボンフロンとは?
フルオロカーボン(炭素とフッ素の化合物)のことを一般的にフロンと言います。
そのうち、CFC(クロロフルオロカーボン)とHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)がオゾン層破壊物質です。
また、HFC(ハイドロフルオロカーボン)のことを一般に「代替フロン」といいます。HFCは塩素を持たないためオゾン層を破壊しません。しかし、代替フロンは二酸化炭素の数百倍~数万倍の温室効果があり、地球温暖化の原因になるとして問題となっています。
オゾン層破壊を防止するため、排出等の規制が進む、特定フロン(CFC、HCFC)。これらに代わって、利用されるようになったのが、R410A、R404Aといった冷媒ガス「代替フロン(HFC)」です。
HCFCは、前述の通り2020年以降に、補充用の生産・輸入が全廃されます。しかし、ここで注意したいのは、法的には2020年以降にHCFCを使用してはいけないという定めがない点です。全廃されるのは、あくまで生産と輸入であり、使用は禁止されていません。(オゾン層保護法 第4条、第11条)
冷媒ガスの種類
種類 | 代表的物質 | 特徴 | オゾン層破壊係数 | 規制 |
---|---|---|---|---|
CFC (クロロ・フルオロ・カーボン)※旧冷媒とよばれる |
R-11、R-12、R-113、R-114、R-502など | 塩素が入った冷媒で、オゾン層破壊の程度が高い | 0,5~1,0 | 特定フロン(1995年 生産中止) |
HCFC (ハイドロ・クロロフルオロ・カーボン)※旧冷媒とよばれる |
R-22、R-123、R-141b、R-142b、R-225など | 塩素の他、水素を含むもので、オゾン層破壊の程度が少ない | CFCの約1/10~1/50 | 代替フロン(2020年に全廃予定) |
HFC (ハイドロ・フルオロ・カーボン)※新冷媒とよばれる |
R-134a、R-152a、R-32、R-125、R-404A、R-410A、R-407C | 塩素が入っておらず、水素を含んでおり、オゾン層破壊がない | 0 | 新冷媒 (代替フロン) |
R22冷媒ガス(HCFC)が全廃になると…?
空調設備の修理費用が高くなる
R22冷媒が全廃されると、新たにR22冷媒は入手困難になります。
それに伴って、入手コストが修理費用に加算されて修理費用が高騰する可能性があります。
フロンに関係する製品の修理時期が伸びる
コストだけではなく、手に入るまで修理が出来ないという修理までの時間の部分についても、影響が考えられます。
R22冷媒が入手困難の為、修理ができないという事態がこれからどんどん増えてくると予想されますので、ある程度目途をたてて空調の入替計画をお勧め致します。また、最新エアコンへの入れ替えは、省エネによる節電効果、経費削減に貢献し、環境面ではCO2の削減にも繋がります。多数の空調設備入替工事実績がございます。お見積もり・現地調査は無料です。お気軽にお問い合わせください♪