冷却水とはどういうもの?
冷却水とは、熱交換器に使用する水のことです。熱交換器は、冷却対象の液体と水などの2つの液体がスムーズに熱交換ができるようになっています。そのため、熱交換が上手く行われることにより、冷却機能も上がるとされています。水が熱交換器に利用されるのは、手に入りやすく、熱交換率が高いからです。
冷却水の種類と特徴を知っておこう
冷却水とは熱交換に使われる水のことを言いますが、その水にもさまざまな種類があります。以下に、冷却水の種類とそれらが持つ特徴を説明します。
近年では、井戸水の存在は忘れがちかもしれません。しかし、井戸水には驚くべきメリットが数多くあります。例えば、使用料がかからない場合や水道水よりも安価だということから、コスト面の心配が軽減されることがあるのです。また、水温が年中安定していることが多いのも、嬉しいポイントとなります。
ただ、新規に付ける場合はポンプ設置などの費用がかかりますし、雑菌などが繁殖しやすいデメリットも持ち合わせています。さらに、井戸水が出る場所によっては水質や水量が異なるケースも否めません。
水道水は、最近の私たちの生活の中で一番身近なものだと言えるでしょう。水質はいつも一定ですし、必要量を確保することも容易です。しかし、水道料金はある程度のコストがかかることは必須ですし、水温を一定に保ち続けることが難しいという難点があります。
クーリングタワーは水の気化熱を利用し、ランニングコストを抑えることができる点が魅力です。また、広い範囲を冷却することも可能で、水資源の節約にも貢献してくれます。
ところが、クーリングタワーも季節の影響を受けがちなのがネックです。例えば、夏場は冷却利用が増えるので、流量が低下することもめずらしくありません。また、気候によって水温が変化する可能性も高いとされています。さらに、細菌が発生しやすいため、スライムの原因になったり、水の蒸発によって循環水濃縮されるので、スケールが起こりやすいという特徴があります。
スライムは細菌などが繁殖することで、それらから分泌される粘性有機物によって形成されます。これらのスライムなどが引き起こす閉塞は、悪臭が発生したり、健康被害に影響を与える場合もあるため、日々気をつけることが大切です。
一方、スケールとは、水中にある不溶解成分が配管内に付着、蓄積したものを言います。スケールを放置すると、腐食を引き起こすケースも。また、熱交換器内のチューブに付着することで、熱交換率も悪くなり、それが原因でコストが大幅にかかってしまうことがあるので、注意しましょう。
チラー水は、設備に合わせてさまざまな調整ができます。温度や流量も調節できるので、水量や水質も一定に保つことが可能です。また、調節できるからこそ、水道代や電気代の節約にもつながります。運用などに合わせてサイズを選ぶこともできるので、柔軟性に優れています。
一方、導入には施工コストが必要となり、時間も手間もかかってしまいます。そのうえ、空冷機を屋内に設置した場合は、排熱の発生にも注意を払わなければなりません。
冷却は、私たちの日常生活に欠かせないものであり、より快適に過ごすための知恵が詰まったシステムだと言うことができます。また、冷却水には水が使われますが、その種類もいくつかあり、それぞれに特徴を持っているのです。そのため、店舗の規模や経営状態にふさわしい冷却水を使用することがおすすめだと言えます。