そもそもチラーとはどういう設備か
チラーは、主に製品を冷やすことに使われます。物を冷やすといえば冷蔵庫や冷凍庫をイメージしますが、実はMRIや工場機械設備、計測機器の冷却など幅広い製品を稼働させるために、なくてはならないシステムです。チラーで冷却することで機器を安全に、故障を防ぎつつ安定した稼働ができるのです。
一方、設備の冷却がなければ安定して製品の生産ができず、現在の目覚ましい科学の進歩はなかったと言っても良いでしょう。
チラーには主に、水冷式と空冷式と2種類ありますが、どちらも基本的に水槽や蒸発器と呼ばれるタンクに貯めた水を冷やし、循環させることで冷却します。
幅広い製品に使われるチラーは、どのようなものをどのくらい冷やすのかによってメーカーの種類や性能が変わるため、幅広いタイプのチラーが存在します。
冷却方式のチラーは水冷式と空冷式の2タイプ
続いて、チラーの種類についてですが、チラーは主に水冷式と空冷式の2種類にわかれます。
水冷式
水冷式とは水を使ってタンクの水を冷やすチラーのことで、冷たくした水を循環させることで熱を下げます。このあとご紹介する、空冷式よりも効率的に冷却ができると言われており、水冷式で使用する水(冷却水)は水道水を始め軟水、不凍液、エタノールなども使用するケースがあります。
また、ブラインチラーと呼ばれる製品についてはこの水冷式チラーに該当します。ブラインチラーというのは、いわゆる氷点下の液体を循環させて冷却を行うシステムで、一般的な水道水などより冷たい温度で冷却することが可能なことから、よりパワフルで効率的な冷却が必要な際に利用されます。
ただし、ブライン液は基本的にエタノール液や化学物質であるケースも最近は多くなってきており、必ずしも全てのケースにおいてブラインチラーを利用することが適切ではない場合もあります。
また冷却水を使うシステムのため、水冷式のチラーは冷却水を引く配管などが必要ですが、空冷式と異なり廃熱がないため、室内に設置できるメリットがあります。
空冷式
空冷式とは、ファンで空気(外気)を取り込み冷却するシステムです。水ではなく、ファンを使います。空冷式は廃熱を室内にするか、室外にするかで少々仕組みが異なります。
冷凍機(コンプレッサー)で圧縮されたガスは凝縮器(ラジエーター)で冷やされ、液化します。冷媒ガスサイクルと循環水サイクルにより構成され、冷媒ガスを熱媒体として、循環水を冷やします。
液化したガスは膨張弁を通る事により、圧が下げられて冷却ガスとなり、冷水器(熱取り替え器)で循環水と熱交換を行い、循環水を冷やします。凍結、ごみ詰まりもなく水槽の清掃のメンテナンスが簡単
チラーの使用例と導入先
チラーは産業機器、計測機器、食品加工機器、理化学機器など、フィールドを問わず多くの工場、企業で活躍しています。医療機器のMRI、工場での金型制作、電子顕微鏡、半導体製造、大型印刷機などに導入されてます。
チラー導入のメリット
・温度管理によって品質が安定し歩留まり向上に貢献します
・冷却工程による冷却時間を短縮し生産性をUPします
・節水・経費対策に貢献します
このようにチラーには様々な機能がありますが、基本的には物品を冷却し、その温度を一定に保つことがメインの目的・機能となります。また、用途によって様々なメーカーから幅広い商品がリリースされており、目的に応じて適切なチラーを選ぶことが、業務加速の一つの指針といって良いでしょう。